木の特性と経年変化について


木は育った場所や気候等の環境によって、木目や色、節などの一つひとつに木の個性が生まれます。
また、木材は時を経ることで、色味が変化します。このことを経年変化と言います。
このページでは木の特性と経年変化について説明します。
こちらで紹介している材の写真は特徴や色味や木目の一例です。
同じ木でも色味は様々です、特性を知ってお気に入りの木を見つけていただければ幸いです。


サクラ (エゾヤマザクラ)
おもな産地:北海道
色調:明るい茶色
材質:やや硬い


日本に最もなじみのある樹種サクラ。
HappyLifeFactoryでは主に、北海道に自生するエゾヤマザクラ(オオヤマザクラ)を使用しております。
木材の色調は、黄色みのかかった明るい茶色や赤みのある茶色など様々です。
狂いの少ない素直な材なので 家具材、楽器材、建築材、造作材、彫刻材など幅広い用途に使われています。


経年変化:色味が濃くなります。強い紫外線にあたると短時間でも変化することがあります。

           右側 経年変化後
 

カエデ
HappyLifeFactoryではイタヤカエデとメープルをカエデとして扱っております。

おもな産地:北海道(イタヤカエデ) アメリカ・カナダ(メープル)
色調:明るい乳白色
材質:非常に硬い

イタヤカエデ


秋になると黄色く紅葉し森の中でも目立つカエデの一種。
ゆっくりと時間をかけて成長し太くなるイタヤカエデは、木目が詰まっていて重く硬く粘りのある材です。
仕上げるとほかの木材にないようなスベスベとした手ざわりになります。
この材は狂いやすいのも特徴で加工には経験と技術を必要とします。
硬くて傷がつきにくく衝撃に強いので体育館の床や学童用のいす・机・スキー板・ボーリングのピン等の運動具・器具の柄によく使われています。
また楽器材として、ピアノのアクション機構や響板を支える木枠・ヴァイオリン・ギターの裏板などに使われています。
木材の色調はやや赤みを帯びた乳白色や黄色みのかかった乳白色。年輪は目立ちにくく、育つ環境などにより杢(モク)と呼ばれる模様がでることもあります。

経年変化:黄色味のある乳白色からより黄色味を帯びていき、飴色への変化を楽しめます。


           右側 経年変化後


メープル

北米に生植するカエデの木。カナダの国旗としても有名。
硬く衝撃に強いので、ボウリングのピンや野球のバットに使われています。
また楽器材として、ピアノのアクション機構や響板を支える木枠・ヴァイオリン・ギターの裏板などに使われています。
イタヤカエデよりもやや柔らかい材ですが、やはり狂いやすいく加工には経験と技術を必要とします。
メープルはその名の通りメープルシロップが採れる木です。材の中にも少しの蜜を含んでいるので、
加工中には甘いメープルシロップの香りが漂います。
色調は明るい乳白色。イタヤカエデより木目がおとなしい印象です。
育つ環境などにより杢(モク)と呼ばれる模様がでることもあります。

経年変化:明るい乳白色から黄色味を帯びていき、飴色への変化を楽しめます。


              右側 経年変化後


 

ウォールナット (ブラックウォールナット)

おもな産地:アメリカ、カナダ
色調:濃い茶色
材質:やや硬い



ウォルナットと聞くとクルミと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
木材では一般的にウォルナットと呼ばれる木はブラックウォルナットのことをいいます。
材はほどよい粘りがあり狂いも少ないので古くから高級家具材として使われます。

また、衝撃に強いことから銃床材として重用されました。
その他、ドア材・造作材・フローリング材・内装パネル材・楽器材など多くに使用されています。
まれに写真のような美しいチヂミ杢があらわれることもあります。
色合いは 紫色を帯びた薄茶色から濃い茶色。不規則な濃淡の縞がでることも多いです。

※北海道や東北に広く生育する「オニグルミ(鬼胡桃)」という木がありますが、
ブラックウォールナットとは色味が異なりオニグルミは色白で柔らかく優しい雰囲気です。

経年変化:多くの木材は色味が濃くなりますがウォルナットは使いこむ程に色味が明るくなり、優しい印象に変化します。


          右側 経年変化後

 

エゾマツ

おもな産地:北海道
色調:白く茶色い年輪が目立つ
材質:柔らかい

北海道に自生するエゾマツは「北海道の木」に指定されています。
軽く柔らかいのが特徴で 建具材,経木材,家具材,土木用材や最高級のパルプ材など様々な用途に用いられます。
オケクラフトの代表的な器に多く使用されています。
年輪がはっきりとしているので個々の木目を楽しめます。
近年は良質のエゾマツが少なくなっているため材料の確保が問題になっています。

経年変化:色が濃くなり飴色になります。

          右側 経年変化後

参考文献
原色インテリア木材ブック  宮本茂紀  建築資料研究社 2000
森の博物館  橋本 正 小学館 1994
カエデ識別ハンドブック 猪狩貴史 文一総合出版  2010
新版北海道の木 辻井達一・梅沢俊・佐藤孝夫 北海道大学図書刊行会 2001
増補新版北海道樹木図鑑 佐藤孝夫 亜璃西社 2011

 
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